言語が減ることって問題ですか?への私の答え by 下地理則
ぼくは妻に何度も指摘されるくらい「必要」って言葉に敏感で、「必要ですか?」という問いにもやはり敏感なのだけれど、ここでの「問題ですか?」という問いにも同じように警戒心をもって向き合った。
好きだったお店がなくなるのは悲しい。好きだったウェブサービスが終了するのは悲しい。好きだった商品が販売終了になるのは悲しい。失われて、二度と戻ってこないものがあるのはわかるし、悲しいとは思うけれど、それは「命が失われる」と同種の自然なものと捉えているところがあって、自分は問題だとは捉えていない気がする。
利用者がいなくなって消滅していく言語に訪れているのは「自然死」なのではないか。「自然死は問題ですか?」という問いにしてみると、やはり自分は「問題ではない」というスタンスを取るだろう。